二股の功利主義
ヨコハマへ向かう電車の中で、若い女性が二人で話しているのが耳に入ってきた。
最近婚約が決まったという一人が、その決断を下したあとに、もう一件交際していた相手の実家を訪ねて断りを申し入れたのだという。
その男性の家族とも親しくしていたそうで、彼の母親と祖母に「あなたはいい子だと思っていたのに・・」と呆れられたそうだ。
あまりのきっぱりした態度に、怒ることもできなかったのだろうと想像される。
世間的にはよくある話なのかもしれないが、選ぶ方と捨てる方を決めた判断基準は何だったのかを知りたいところだ。
その女性にとって、自分に有利な、利益がありそうな方をとったのだろう。まさに功利的、ビジネスそのものである。
自分にも若い頃こんなことがあった。
時々食事やお出かけをしていた女性の友人が
「私、結婚するの」と切り出した。
「ほう、それはおめでとう」とこともなげに応じると、安心したのか、いきなり指輪をキラつかせながら、次の瞬間から「彼がね」「彼ったらね」と連発しはじめた。
私は「もしその男と私が逆の立場だったら…」と考えながら聞いていた。
まぁ私の場合は結婚の検討対象とまではいかなかっただろうが、選ばれなかった方になったとしても、それはそれでよし、というほかない。
それにしても、くだんの若い女性に選ばれた方は何も知らないんだな。
一番の勝者は誰だろう。
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