コロナ禍 5年目に思う

 コロナ禍とやらが始まってこの1月で5年になるという。

 忘れないうちに、あのころの記憶を書き留めておこう。


 その年の11月ごろ、実家へ修繕のために東京から帰省した。

 掃除のため自宅の前にいると、隣家の夫人が犬の散歩帰りに通りかかった。

 呼び止めて帰省のあいさつをしようとしたところ、歩かせていた犬を抱え上げてダッシュで逃走するではないか。

 ”東京ではひどいことになっている”という報道は、想像以上だったようだ。

 

 数日後の休日、時間制限を実施しながらも開館している県立博物館へ。

 入場口で「住所氏名と電話番号を記入せよ」とのこと。

 ここで東京の住所を書いたなら、トラブルは必定であろう。「最悪、逮捕かも」とまで思わせる雰囲気であった。


 地元の友人に会うのはもちろんやめたが、電話で話すと「東京では街のそこらじゅうに人が倒れていて、カラスがたかっているそうじゃないか」とまで言う。

 冗談にしてもひどいものだ。戦乱の時代の京・都大路でもあるまいし。

 メディアのイメージ操作はそれほどまでに拡大するものである。


 大規模な制限が始まった直後、会社帰りの地下鉄車内や都心のターミナル駅は夕方でもほぼ無人の状態が続いていた。

 わが職場はリモート対応実施が遅れたので、この珍しい光景をしばらく見ることになった。

 今にして「あれはいったい何だったのであろうか」とも思うが、社会全体を防衛する意識を広めるには多少過剰なくらいでよかったのかもしれない。

 

 

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