咳エチケットとは 再考

 以前このブログで「咳のエチケット」に関して書いたことがあった。

 主に日本国内でよくみられる、街中や公共の場での耳障りで無作法な咳をすることを非難したのである。
 家庭内や学校の中の躾から、咳をするときの作法を教えることが廃れたのであろう。
 それがわからないのは赤ん坊と同じだというのに。

 「欧州では中世から何度も襲われているペストやコレラの記憶が社会に根付いていて、公共の場での無作法な咳はタブーとの合意ができている」とも書いた。
 美術館などで見られる絵で、倒れた人の口から悪魔が逃げ出している図がよくあることは何を意味していたのか。今ここで再度指摘しておきたい。

 もうマナーの段階ではなく、禁止事項だ。
 近頃はさすがに都内の電車内や街中では以前のような「喉から絞り出す咳を、口に手も添えずにする」ような人は見なくなってきた。
 この国は動き出すのは遅いが、いったん流れが定まると社会の隅々にまで徹底して及ぶ傾向が強い。
 
 疫病はいずれ収まるかもしれないが、この合意は廃れずにいてほしい。


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