英国の競馬場にて
かつて英国を旅した時、ロンドン近郊の競馬場を訪ねてみた。
場内には日本のレース場と違い、公式の馬券売り場はなく複数のブックメーカーが独自の券を売っている。
専用の購入用紙にボールペンで予想する勝ち馬の番号と購入金額を書き、現金を添えて窓口に提出すると用紙のコピーを馬券として返してくれる。
私はその日の最初のレースで単勝式を3点、いくつか窓口を構える大手らしき店で購入してみた。
用紙には「First Race」と書いて、馬番号を記入、各1ポンドを購入した。
そしてレース。ラッキーなことに私の選んだうちの20倍オッズのついた馬が1着となり、喜んで窓口に向かった。
ところが、係員は的中したコピーを見て、
「君の字はFinal Raceに見えるから外れだ」
と言うのである。
そんなわけはないだろうと食い下がったら、係員は「外れた別のコピーを見せてみろ」と言う。
いずれもFirst Raceと書いてある筆跡を見比べて「OK、OK」と渋い顔をしながら、払い戻し金の20ポンド札をよこした。
だが、よく見るとそれは「スコットランドポンド」の20ポンド札であった。
スコットランドポンドはイングランドポンドと同等の価値があり、使えないことはない。
にもかかわらず、市中で買い物の支払い時に出すと断られることもままある「格下扱い」されている札だ。
「わざとらしいことをしやがって」と思いながら、私は次のレースも買うことにした。
同じ窓口で出すなら、この札を断る道理はあるまいと思ったからである。
売店で軽食を買って食べながらゆっくり考え、購入窓口へ。
捨ててもいい、1点勝負だ!
くだんの係員は渋々受け取り、券を投げてよこした。つくづく無礼なやつだ。
その馬のオッズは2倍の本命サイドで、見事的中した。
40ポンド!
今度は別の係員に的中券を提出し、払い戻し金を持ってすっきりした気分で最寄り駅に向かったのである。
Original 14 may 2016
場内には日本のレース場と違い、公式の馬券売り場はなく複数のブックメーカーが独自の券を売っている。
専用の購入用紙にボールペンで予想する勝ち馬の番号と購入金額を書き、現金を添えて窓口に提出すると用紙のコピーを馬券として返してくれる。
私はその日の最初のレースで単勝式を3点、いくつか窓口を構える大手らしき店で購入してみた。
用紙には「First Race」と書いて、馬番号を記入、各1ポンドを購入した。
そしてレース。ラッキーなことに私の選んだうちの20倍オッズのついた馬が1着となり、喜んで窓口に向かった。
ところが、係員は的中したコピーを見て、
「君の字はFinal Raceに見えるから外れだ」
と言うのである。
そんなわけはないだろうと食い下がったら、係員は「外れた別のコピーを見せてみろ」と言う。
いずれもFirst Raceと書いてある筆跡を見比べて「OK、OK」と渋い顔をしながら、払い戻し金の20ポンド札をよこした。
だが、よく見るとそれは「スコットランドポンド」の20ポンド札であった。
スコットランドポンドはイングランドポンドと同等の価値があり、使えないことはない。
にもかかわらず、市中で買い物の支払い時に出すと断られることもままある「格下扱い」されている札だ。
「わざとらしいことをしやがって」と思いながら、私は次のレースも買うことにした。
同じ窓口で出すなら、この札を断る道理はあるまいと思ったからである。
売店で軽食を買って食べながらゆっくり考え、購入窓口へ。
捨ててもいい、1点勝負だ!
くだんの係員は渋々受け取り、券を投げてよこした。つくづく無礼なやつだ。
その馬のオッズは2倍の本命サイドで、見事的中した。
40ポンド!
今度は別の係員に的中券を提出し、払い戻し金を持ってすっきりした気分で最寄り駅に向かったのである。
Original 14 may 2016
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