恒例のミニ湯治

今冬(2016〜17年)は年明けからとても寒い日が続いている。
 雪こそ降らないものの、よく晴れていても冷たい空気に包まれて、夜になると殊の外冷えてくるのだ。
 正月から怠惰な状態のままだったので、ここはひとつ毎年2月の慣例行事である「箱根日帰り湯治」に出掛けることにした。

 新宿から小田急ロマンスカーで約2時間。
 平日の昼間に手軽に出掛ける、安価ながら贅沢な旅である。

 今回はいつもと異なり、最近知った日帰り温泉施設を訪ねることにした。
 箱根湯本駅前から100円送迎バスで20分ほど。
 渓流へ向けて谷の方へ降りていくと、その湯治場はあった。
 特に派手な看板を掲げているわけでもなく、個人の邸宅のような和風の建物だ。
 目立たぬように長屋門の中にチケット自販機が備えられており、そこで支払いを済ませて建物内に入る。
 フロントでチケットを渡して迷路のような廊下を抜けて浴場へ。
 時折どこかから流れてくるお香が鼻をくすぐる。
 ただ、ちょっと私の好みではない香りだった。
 一部屋根のある部分もあるが、すべてが露天風呂であった。
 築山の上にも小さな浴槽があり、いくつかある浴槽にひと通り入ってみたが、いずれも温度はぬるめであった。
 別府人にはものたりぬ温度である。
 異常に込んできたので、早々に退散することにした。
 併設のカフェで休んだ後、バス停へ。
 バスを待つ間、日が落ちたばかりの西の空を見上げると、大きく輝く金星が見えた。

 今回はちょっと不満だった。気分がすっきりしない。何が違ったのだろう。お香で気分が下がったのか? まさか。

 近々、いつものホテルの露天風呂に入り直しに行かねばなるまい。

Original 15 feb 2017

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