泥酔は危ないぜ

 電車の中で泥酔して眠り込んだ女性を自宅に連れ込んだ男が逮捕されたという記事を新聞で見た。余罪が3件もあったという。
 犯人が卑劣なのはもちろんだが、意識を失うほどに泥酔して電車に乗るなどは女性も無防備にもほどがある。国内だからこそこのくらいですんでいるが、海外なら生命の危機になるところだ。
 現在の日本の都市部は、人口の過剰な集中により精神面で通常ではない者が増えつつある。それに加えて匿名性が高い社会ならではの危険度が増大しているのだ。状況は海外と変わらないと思ったほうがいい。

 30年ほど前のバブル時代のことである。
 私は会社帰りの深夜にターミナル駅で乗り換えのため広い通路を歩いていた。すると、酔っぱらった若いサラリーマンが1人、通路の床に寝そべって大声で笑ったり怒鳴ったりしているところに出くわした。
 盛り場近くのターミナル駅ではかつてよくあったことである。
 私はそれを避けて通り過ぎようとすると、別の方向から観光客らしい西洋人の中年男女が数人来た。
 その人々は寝ているサラリーマンを見るやいなや、指をさして大笑い。さらにカメラを取り出してバシャバシャと撮影を始めたのである。
 これには私も日本人としていたたまれなくなってしまった。
 観光客たちは何を思って彼を見たのだろうか。
 こんな無防備な光景は海外ではあり得ない。自国に帰って「日本はいかに安全か」ということを話題にしたかったのであろうか。そんなはずはないと思うが・・。
 私は全く酒を飲まないが、仮に飲んだとして意識がなくなったあげく奇行や醜態を人前でさらしたとしたら・・・。考えただけでも恐ろしいことである。
 さすがに最近は「酒の上だからいいじゃないか」(暴力を受けても何も言えないなど)と言うことはあまり聞かれなくなったが、もういいかげんに飲酒への意識を改めたらどうだと思う。

Original 19 jun 2016

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