カーシェアは便利なり

先頃、10年ほど所有していた乗用車を手放した。
 原付バイクの時代から数えると40年近くの間、私の手元からエンジンのついたものが離れることはなかったが、ここへきて縁が切れてしまった。
 寂しくもあるが、どこか心理的に解放されたような感じである。近年はあまり運転もせず出かける機会も減っており、無意識のうちに車が負担になっていたのかもしれない。
 愛車は今年車検を迎える予定だったため、税金などをすべて含めると年間60万円ほどの経費削減にも成功した。

 それでも外出に必要な時はある。
 そこで現在活用しているのが「カーシェアリング」のシステムだ。
 必要な時だけ予約して、24時間いつでも所定の場所で借りて返却することができる。
 レンタカーのようなガソリンの「満タン返し」は必要がない。半分以下に減っていたらスタンドに立ち寄って、車の中に備えてある専用カードで給油すればいい。もちろん給油費用はかからないばかりか、15分相当のレンタル料を返却してくれるのだ(手間賃ということか)。
 車種は軽自動車、普通車、輸入車といろいろあって、かつて購入を検討した車種にも乗れるのは楽しい限りだ。
 
 カーシェアリングが実験的に考えられていた当初は、数人のユーザーがグループで車を共同購入し、合議で使用時間を分かち合うようなシステムが想定されていた。ビジネスというよりも都市部における駐車場問題の解決が主眼だったと思われる。
 しかしこのシステムでは参加者同士の使用時間帯の折り合いがうまくいかないことが多かっただろう。特に都市部の勤め人は生活パターンが似ているからである。これでは単純に個人で所有するよりも精神的な負担が重くなりそうだ。
 現在企業が行っているカーシェアリングを可能にしたのは、なんといってもパソコンなどから予約管理が自在にできるインターネットの存在が最も大きいだろう。
 
 しゃべるカーナビは当たり前になってしまったが、ドアをカードキーで開けた瞬間に車が音声メッセージを出し始めると、いつも30年ほど前のSFテレビドラマ「ナイトライダー」を思い出す。
 もう「未来」は来ていたのだな。
 
Original 9 jun 2016

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