賭けについて

 現在国内で公認されている公営競技では、賭け金に対する払い戻し倍率として「オッズ」というものが提示される。
 売り上げ全体を元に、組み合わせごとの売り上げ額を割って倍率を決める方式だ。
 この方式だと、参加者の投票する偏りが自然に倍率を生む。選手や馬の実力を参加者が見極めて投票するので合理的な方法だ。しかも主催者側の恣意やインチキが介在する余地はない。
 結果として「堅く」なるか「波乱」になるかは展開次第。そこがこの手の競技(賭け)のおもしろいところだ。
 英国のブックメーカーでは、賭けの引き受けを公認された業者が倍率を決めて投票を募る方式だ。
 これだと、参加者個々人に対してブックメーカーとの1対1の勝負という要素があって、これはこれでエキサイティングであると思う。
 むしろ賭けとはこちらの方が「本筋」のような気がする。
 「この馬か勝つか負けるか、いくらで引き受ける?」という勝負。考えただけでわくわくするじゃないか。賭ける方に立っても受ける方に立ったとしても。
 競馬だけではなく、サッカーやテニス、F1などのスポーツはもちろん、選挙などの社会事象に対しても賭けが行われるのは我が国内から見てうらやましい限りだ。
 賭け自体から得る収益(の期待)よりも、知的なゲームという側面で私は引きつけられるのである。

Original 13 may 2016

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