熊本・大分地震を受けて
九州での大地震から10日以上が経った。
私は出身地の大分県に帰省している。 メディアの情報ではいたずらに不安をかき立てられるばかりで、実家の様子は実際に自分の目で確かめるほかはないと考えたからだ。 到着したのは4月20日。地元に着いてすぐに海岸部のファミリーレストランで食事をしていると、強い揺れが襲ってきた。 初期微動も何もなく、いきなりドカンと衝撃が来る揺れだった。大きな窓ガラスがバァーンという激しい音をたてた。 それから何日間かは短いが鋭く強い揺れを体験している。 私はもちろん地学の専門家ではないのだが、関東で幾度も体験した地震のイメージとはちょっと違う印象をもった。 地面を大きな床板とすると、その下から何か大きな物が衝突してくるような震動が多い。「ズズン」と一発来て収まる。連続してくることはあまりない。 この揺れを畳の上に座っているときに食らうと、地盤の厚さを体で感じられるような気がする。頼みの地盤は必ずしも厚く頑丈そうではないと思えたことが非常に怖い。 私のところでは大きな被害はなかったが、周辺のお宅ではブロック塀の倒壊、石垣の崩壊、屋根瓦の落下などの被害があったようだ。 拙宅は外見的な被害はなかったとはいえ、室内で壁面の額が部屋の反対側まで飛んでいたり食器棚のガラス器が多数壊れていたりしていた。本震時に在宅していたらかなり精神的なダメージを受けただろう。 2011年の「東日本」当日、私は東京のビルの10階にいた。そのオフィスがまるで嵐の中の船のように揺れた。深夜まで帰宅できず、時折自分のデスクを離れると建物のあちこちが「ギギギ」と軋むような音を立て続けていた。 その時の一連の恐怖は、いまだに不意によみがえってきて脂汗をかいてしまうほどだ。 相手は地球だから怒っても恐れても仕方ないが、ここはなんとか早く収まってもらいたいものである。
Original 27 apr 2016
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