ミニマリズムとは

最近、ネット、リアル書店ともに「ミニマリズム」ということを啓蒙する書籍が数多く出回るようになった。
私もいくつか読んでみた。
いずれも共通していることは、単にたまりすぎたモノを処分した部屋で暮らすということだけではなく、生活スタイル、ひいては生き方に対する考え方をも変えることの提案である点に気を引かれた。

私も手始めに過去30年以上にわたってため込んできたCDや書籍、写真集などを処分することにした。
といってむやみには処分できないので、選別から始める。
書架の奥の方から出てきた書籍は、もう忘れていたものもあったが、だいぶ前に興味を引かれて手を出した分野の書籍(むろん挫折している)を見つけると気恥ずかしさとともに我が身の軽薄さを改めて思った。過去の自分をリアルに眼前にさらけ出し反省を促すという効果も、この考え方の一端なのではないか。
私はすでに一度引退した身だ。これを機に、以前の書籍整理では踏ん切りがつかなかったものもすっぱりと切り、迷いなくかなりの量を処分することができた。
数日かけて作った段ボールは10個以上にもなった。
専門業者に依頼して搬出してもらったが、まだ書籍やCD程度だから、目に見えて部屋がスッキリとはいかない。しかし気にかかっていたものが片づくと気持ち軽くなり、さらに処分をもっと進めようという欲が出てくる。
食器、ベッド、衣類、など決別すべきものはまだ多くあるのだ。
ミニマリズム関連の書籍の著者たちが実践している状態にはまだ遠いが、その境地を一種の「悟り」と心得て、それを目標に進めることにしたい。
書籍にあるように、部屋にたまった無駄なモノは精神に蓄積した「澱(おり)」に等しい。
その掃除の効果で、消極的な隠居を決め込んでいた我が身にも前向きな気持ちが実際に出てきたのは不思議である。

Original 06 apr 2016

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