若者言葉に思う



いつ頃から出始めたのかはわからないが、私が気になる若者言葉の中に、
「~じゃね?」
というものがある。
その前段階部分をわざと平板なイントネーションで発して、この部分をしり上がりに発音する言い方だ。
「きょう、寒くね?」
「このパン、まずくね?」
など。
相手に同意または感想を求めているのだが、必ずしも返答を期待しているのではなさそうである。
「じゃね?」形の問いかけを受けた相手は、曖昧に相槌を打つくらいで、はっきりと「そうだね」または「違うよ」などとまともに応じてはいないようだ。
底流に「自分はこう思う」「こう感じている」と明確に言い切ることへの不安があり、さらに相手に問いかけてニュアンスを軽くする効果があるのか。なるほど、その定型化した言い方を用いることで、直接的な物言いを回避しているとも言えるのだ。
また、相手に問いかけることでコミュニケーションをつなげる効果もありそうだ。
ただこの言い方はかなりくだけた間柄でしか使えない。
それだけに、お互いの微妙な距離感を確認するツールともなりうるのかもしれない。
その場合は「じゃね?」を発してみた直後に相手の反応を慎重に見極める必要がある。
若者言葉にあって乱暴さは微塵もない言い方。これも今の時代の空気を表しているような気がする。

Original 16 feb 2016

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