記憶の整理には

 歳をとってくると、比較的最近のことは忘れているくせに、かなり古いことだけがはっきりと記憶からよみがえることが多い。それも脈絡なく突然に、である。

こんなことを思い出した。
 私が仕事でワープロを使い始めたのは25年ほど前だ。
私の会社で一般社員が使っていたのはノート型の「ワープロ専用機」であった。
その機械では文書ファイルはメモリーカードにセーブするようになっていた。
 今から考えるとフロッピーディスク10分の1ほどしかない容量のカードだったが、当時としてはかなりの分量に思えた。それでも不要になったものは削除しないと不足が生じるのであった。
(文書作成が業務目的なので印刷が前提であり、古いものは消しても問題なし)

 文書ファイルのリストを見ることができたのは当たり前だが、時々「暴走」することがあった。突然表示が白くなったと思ったら、随分以前に消去したものが文書作成画面に脈絡なく表示されている。
 消去しているように思えて、実は自動で圧縮をかけてカードの中に隠しデータとしてためておくよう仕掛けが施してあったのではないかと思う。
 当時はまだパソコンやワープロといった機械を使い慣れない人が多かった時代である。誤って消去してしまった大事な文書を「なんとか戻せないか」とメーカーに泣きつくシーンが多かったことも想像に難くない。そのための仕掛けなのだろう。

 突然、古いことが思い出されるようになった自分のアタマを思うとき、このことを想起するのだ。
 記憶が完全に消えていないことを安心する半面で、「暴走」が起こっているとしたら・・・。
 思い出すままに、ときどき文書に書き出して「調整」することもアタマの健康のためには必要かもしれない。そのためにはブログは格好の道具である。 


Original nov 22 2015

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