パスポートとともに
この秋の海外旅行を計画していて、パスポートの期限がそろそろ切れかかっていることを思い出し、都庁に出掛けることにした。
思えばこれで何度目の更新だろうか。 初めて取得した14歳の時のことを更新のたびに思い出す。 ある団体の研修旅行で夏休みに客船で南太平洋方面に出掛けるために取得したものだ。 当時は渡航先に応じて「イエローカード」というものを添付する必要があった。 といっても何かのペナルティではなく、予防接種の証明カードである。 その時要求されたのは天然痘とコレラの2種類。 「うぇ~、注射か」といっぺんに憂鬱になった。 天然痘の接種は針先でチクチクするだけだったが、コレラの注射は腕がしばらく上がらなくなるほどに痛かった。 その時は右腕に接種してもらったせいで、あとで文字を書くにも難儀をしてしまった。 しかしコレラの注射は数日の間を置いて2度接種が必要なもので、期末試験を控えた時期だった2度目には激痛を警戒して左腕にしてもらった。 痛みに耐えたおかげで無事パスポートは発給された。 更新の時に古いパスポートを見返すと、自分の顔の変遷がわかる。 ずっと5年おきに更新していたので、徐々に変化していく顔つきが興味深い。 前々回のものは怒ったような顔をしていた。 この時期は仕事がつらかったのか・・・と思い出すと胸が痛くなった。 今回は10年ものを取得した。10年後の私は10歳若い自分の顔を見て何と思うだろうか。 初めて持った赤い表紙の旅券を手に空港を発つ日を想像すると、一気に気持ちが明るくなるから不思議である。
Original nov 04 2015
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