不思議な感覚
名古屋へのツーリングの続きである。
「幻のコーヒー店」を後にした私は、岡崎まで友人に迎えに来てもらうことにした。 携帯電話はなかった時代なので、彼の帰宅時間を見計らって公衆電話から連絡した、というのは何とも懐かしい思い出である。 岡崎駅前で落ち合い、彼の駆るオートバイの先導を受けながらその日の深夜に名古屋へ着いた。 数日間友人の下宿に滞在し、帰途は余裕を持って行くことにした。 道中は順調で、静岡市内で1泊してさらに国道1号線を進み、途中から国道246号に入り、やがてなじみの環八通りに出た。 その瞬間、奇妙な感覚に捕らわれた。名古屋を出てからの道筋がいっぺんに脳裏によみがえり「あそこから、自分の住むところまではつながっているのだ」ということがとても不思議に思えたのである。 当たり前のことだが、名古屋からは地続きである。しかしそのことを肌で感じるには鉄道やバスでは難しい。道を足でたどりながら旅をしているのに近いオートバイ・ツーリングならではの感覚であると思った。 もう体力的にツーリングは厳しいかもしれないが、このことを思い出して急に名古屋の友人に会いたくなってしまった。
Original 09 mar 2016
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